この記事では人工毛植毛のメンテナンスについて解説しています。

薄毛治療の方法として有効である植毛には自分自身の毛髪を移植する自毛植毛と、人工的に作られた毛髪を移植する人工毛植毛の2種類があります。

自毛植毛では移植する毛髪を自分の後頭部などから採取するという手順を踏まなければならず、あらかじめ作られている人工毛を移植するだけの人工毛植毛に比べて一回の手術にかかる費用が割高になってしまいます。

この点だけを聞くと「それなら手術費用が割安な人工毛植毛にしよう」と考えられる方もいると思います。

しかし、人工毛植毛には植毛手術以外に定期的なメンテナンスが必要になるのでその分の費用がかさんでしまうのです。

この記事では人工毛植毛のメンテナンスについて解説していきますので、人工毛植毛を検討されている方は是非ご覧ください。

人工毛植毛のメンテナンス

移植に自分の毛髪を使用し、移植した毛髪の定着率が90%以上かつその場所で伸び続けてくれる自毛植毛はメンテナンスの必要がありませんが、移植する毛髪が自分のものではない人工毛植毛は主に以下のような定期的なメンテナンスが必要になってきます。

定期的な植え直し

人工毛植毛によって移植される人工毛は人体への親和性が高い合成繊維によって作られていますが、人体にとっては異物であることには変わりはありません。

人体には体の中に入ってきた異物を体の外に押し出そうとする機能が備わっており、人工毛を移植するとこの機能が働いて人工毛を押し出してしまうので、植毛によって移植した毛髪のほとんどが手術から半年を過ぎたあたりから抜け始めてしまいます。

このため髪のボリュームや濃さを維持するためには定期的な植え直し手術を受ける必要が出てきます。

一回の手術費用では自毛植毛に比べてリーズナブルになっていますが、植え直しをするたびにお金がかかってくるので、すぐに自毛植毛にかかる費用を超えてしまいます。

皮脂汚れの除去

人工毛植毛には植え直しのほかにも皮脂汚れの除去という大切なメンテナンスがあります。

頭皮からは通常、皮脂が分泌され続けているものであり、自分の毛の場合は毛が伸びることによって毛穴から押し上げられて剥がれ落ちるので皮脂汚れがたまることはありません。

しかし、人工毛植毛によって移植した人工毛は伸びることがないので、皮脂汚れが落ちることはなく溜まったままになってしまいます。この皮脂はそのままにしておくと、酸化して毛穴を陥没させたり皮膚トラブルを引き起こしたりする可能性があります。

このため、1ヶ月に1回程度は人工毛植毛を行ったクリニックへ出向いて皮脂汚れを除去するメンテナンスを行う必要があります。

まとめ

ここまで人工毛植毛のメンテナンスについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか?

メンテナンスの必要がない自毛植毛とは違い、人工毛植毛を行った場合には紹介してきたようなメンテナンスを受けなければなりません。

これらのメンテナンスを怠っていると頭皮が腫れたりするような症状が出てくることがあるので、必ず受けるようにしましょう。

ただ、人工毛は人体にとっては異物であるためしっかりとメンテナンスをしていたとしても頭皮にかかる負担はゼロにはなりません。

手術を繰り返せば繰り返すほど頭皮へのダメージは蓄積されていきますので、炎症の発生や感染症にかかる可能性も高くなっていきます。

この懸念により薄毛治療先進国のアメリカでは1990年代から人工毛植毛の手術が法律で禁止されています。

これらのことから、長いスパンで見るとランニングコストがかかり、安全性にも疑問符が残る人工毛植毛よりも自毛植毛の方が優れていると言わざるを得ないでしょう。

 

なお、当サイトでは、植毛を扱う病院・クリニックを地域別にまとめていますので、そちらも参考にしてみてください。

【参考】植毛を扱う病院一覧