この記事では人工毛植毛とは何かについて解説しています。

薄毛を改善する植毛には自分の髪を使用する自毛植毛と、人工的に作られた髪を使用する人工毛植毛があります。

現在主流になっているのは自毛植毛であり、こちらは移植したものが定着すると自分の髪として生えてくるようになる植毛方法です。

【参考】自毛植毛とは?主な方法や費用も紹介!

 

では、人工毛植毛とはいったいどのような方法なのでしょうか?

この記事では人工毛植毛について解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

人工毛植毛とは?

人工毛植毛とは植毛方法の一種であり、人工的に作られた毛髪を薄毛の気になる部分に移植するというものです。

日本では古くから行われてきた植毛方法で、薄毛が気になる部分に局所麻酔を打ち、その部分の頭皮に人工毛を特殊な針で1本1本埋め込んでいきます。

人工的に作られた毛髪なので自分の好きな本数を移植することができ、ヘアスタイルも自由自在です。

しかし、手術自体は短時間で終わりますが、毛髪を移植した範囲や手術の内容によっては頭皮に傷が残ることがあり、その場合は経過観察のためにクリニックに再度出向く必要があります。

人工毛植毛で使用する人工毛

人工毛植毛は、自分の毛髪を使用する自毛植毛とは違い、人工的に作られた毛髪を使用します。

「人工的」というワードの聞くと拒否反応を示す方がいるかもしれませんが、人工毛植毛に使用されている人工の毛髪は人間の体に比較的馴染みやすいと言われているポリエチレン・テレフタレートという合成繊維で作られています。

このポリエチレン・テレフタレートという素材は人工血管・人工皮膚・心臓のペースメーカーなどにも使用されており、着色においても体の中に溶け出すことがないように無害な無機顔料を使用して原液着色法によって色付けされています。

人工毛植毛に使用される毛髪は髪質や強度にもこだわって作られています。

髪質は質感や色合いも自然な感じであり、強度も引っ張ってから切れるまで・抜けるまでの強さや、熱に対する強さなどで人毛を上回っており、ドライヤーなども安心して使用することができます。

人工毛植毛に関する懸念

安全性の高いと言われる人工毛を使用している人工毛植毛ですが、施術を受ける人によっては様々な異常が生じる可能性があり、薄毛治療先進国であるアメリカで人工毛植毛が一切認められていないという懸念があります。

植毛が薄毛対策として行われるようになったころにはアメリカでも自毛植毛と人工毛植毛の両方が行われていました。

しかし、移植による感染症や異物反応による炎症などの様々なトラブルが報告されることが多くなってきたことを受けて、アメリカでは1990年代頃には人工毛植毛が法律で禁止されました。

また、日本でも日本皮膚科学会がAGA治療のガイドラインにおいて人工毛植毛にD判定を付けています。

D判定というのは最低評価であり、つまり「人工的な毛髪を使用した植毛手術は行わない方がいい」ということを言っており、自毛植毛を推奨しています。

ちなみに、自毛植毛はB判定で「行うよう勧められる」とされています。

【参考】AGA診療ガイドラインとは?

人工毛植毛はメンテナンスが必要不可欠

自分の毛髪を使用する自毛植毛では、先ほど紹介したようなトラブルが発生することはほぼなく、移植後に毛髪が定着するとそこで伸び続けてくれるのでメンテナンスをする必要がありません。

しかし、人工毛植毛は自毛植毛とは違って頭皮に移植した毛髪は定着することはなく、移植した毛はそのほとんどが手術から一年以内に抜け落ちてしまいますのでボリュームと濃さを保つためには定期的に人工毛の植え直し手術を受ける必要があります。

また、人工毛は伸びることがないので皮脂などの汚れを自然に取り除くことができず、移植した部分に皮脂汚れがたまりやすくなっています。

これらを除去するために1ヶ月に一度は皮脂汚れ除去のメンテナンスを受けなければなりません。

人工毛植毛をした場合にはこれらのメンテナンスを受け続ける必要があります。

メンテナンスを怠っていると頭皮が炎症を起こしたり化膿したりすることもありますので、必ず医師の指示に従う必要があります。

このため、人工毛植毛には植毛自体の費用のほかにもランニングコストがかかってきます。

まとめ

ここまで人工毛植毛とは何かということについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか?

紹介してきたように人工毛植毛には人体への親和性が高い合成繊維が使用されていますが、拒絶反応が生じる体質の方もいることから薄毛治療の先進国であるアメリカではすでに禁止されています。

日本ではまだ手術をすることは禁止されていませんが、将来的にはアメリカと同じように国内での手術が禁止になる可能性もあります。

ただ、副作用への懸念などは医師による丁寧なカウンセリングと定期的なアフターメンテナンスによってある程度は軽減することができるので、人工毛植毛によって薄毛を改善する場合はすべてに納得したうえで行い、医師の指示には必ず従うようにしてください。

なお、当サイトでは、植毛を扱う病院・クリニックを地域別にまとめていますので、そちらも参考にしてみてください。

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