この記事では自毛植毛とはなにか?を解説しています。

最近ではCMなどでよくAGA(男性型脱毛症)という言葉を耳にするようになってきましたが、その罹患者は全国で1,260万人もいると言われています。

髪が薄くなってくることに対してなんとも思っていない方も中にはいるでしょうが、大体の方が「薄毛を何とかしたい」と悩まれていると思います。

ではどのようにして薄毛に関する悩みを解消すればいいのでしょうか?

実は昔はどうすることもできなかった薄毛ですが、今では自毛植毛という手段で改善することが可能になっているのです。

この記事では自毛植毛とはどういったものなのかを解説していきますので、参考にしてください。

自毛植毛とは?

自毛植毛とは、本人の側頭部や後頭部の毛髪を毛包ごと採取し、薄毛が気になる部分に移植するという植毛方法です。

そして、移植した毛は一度定着すると半永久的に生え続けるので薄毛の悩みを根本から解決することができます。

植毛は保険適用外の外科手術であるため費用は高額になりますが、手術は基本的に1度だけですので、薬を飲み続けたり、カツラを使い続けたりするよりは合計費用が安くなる場合もあります。

また、「火傷で毛が生えなくなった」「生まれつきおでこが広い」といったAGAに関係のない薄毛にも有効な対策手段です。

自毛植毛の方法

自毛植毛には様々な方法がありますが、その中でも特に推奨されているFUT法とFUE法という手術方法についてここでは解説していきます。

FUT法

FUT法は「Follicular Unit Transplantation」の略で、メスを使用する植毛方法であり、世界中で主流となっています。

移植するためのドナー髪を採取するために側頭部や後頭部の頭皮を縦2cm~横10~20cm程度切り取って傷口を縫合します。

切り取ったドナー髪を1つずつ分解し、薄毛の気になる部分に移植します。

FUT法のメリット

一番のメリットは定着率の高さです。FUT法は髪の毛のみを移植するのではなく、皮脂腺といった髪を支える器も一緒に移植するので定着率を高く保つことができます。

FUT法の定着率は一般的に85~95%といわれています。

そしてもう一つ、ドナーロスの確率が低いということが挙げられます。

FUT法はドナー髪を採取して株分けする際には実体顕微鏡を使用して丁寧に行うので、採取したドナー髪の毛根を傷つける可能性が限りなく低くなります。

FUT法のデメリット

FUT法はドナー髪を採取する際に頭皮をメスで切り取りますので、術後に線状の傷が残ってしまいます。

クリニックもできるだけ目立たないように縫合してくれますが、短髪にするとばれる可能性もあります。

また、吸収糸で縫合している場合以外は抜糸するために再度クリニックに出向く必要があります。

さらに、術後の痛みや傷口の赤み・腫れが引くまでのダウンタイムが長いというデメリットもあります。

FUT法のダウンタイムは通常10~14日くらいです。

FUE法

FUE法は「Follicular Unit Extraction」の略で、FUT法とは違ってメスを使用しない植毛方法です。

パンチブレードと呼ばれる機器を使用して頭皮から毛根を1つずつくり抜き、薄毛が気になる部分に再度パンチブレードで0.6~0.8mmの穴をあけて採取した毛根を移植するという手術を行います。

FUE法のメリット

FUE法最大のメリットはメスを使わないので頭皮を切る必要がないということです。

専用の機器を使用して0.8mmほどの穴をあけてドナー髪を採取する方法なので、頭皮にメスを入れるFUT法と違って施術の傷が最小限で済み、術後麻酔が切れても痛みはほぼありませんし、傷口の縫合が必要ないので抜糸のためにクリニックに出向く必要もありません。

また、FUE法はFUT法と違い、太い毛を採取することができるというメリットも持っています。

ドナー髪を採取する側頭部や後頭部は髪の密度が多いので、細い毛はそのまま残して太い毛のみを薄い部分に移植するといったことが可能になっています。

FUE法のデメリット

FUE法最大のデメリットはドナーロスの確率が高いことです。

ドナー髪を採取する際にいくら気を付けていたとしても毛根の大事な部分を傷つけてしまい、そのドナー髪を移植に使用することができなくなってしまうことがあります。

FUT法の場合は決まった部分を切り取るのでドナーロスはほとんど起こりませんが、FUE法の場合はパンチブレードで何十カ所以上も採取するので、その過程でどうしてもロスが発生します。

このロスによって採取したドナー髪の10~15%は使用することができなくなります。

また、ドナー髪を手作業で1つ1つ採取するため施術にかかる時間が長くなるというデメリットもあります。

FUT法とFUE法の費用の違い

自毛植毛は自由診療なので保険適用外となり、平均するとFUT法で60~80万円、FUE法で100万円程度の費用がかかります。

メスを使用して一気にドナー髪を採取するFUT法の場合はFUE法よりも手間がかからない分安く、ドナー髪を1本1本採取していくFUE法の場合は本数が増えるごとにかかる費用も増えていきます。

当サイトでは、自毛植毛を扱う病院を地域別にまとめており、各病院の手術費用も掲載していますので、下記のリンク先も参考にしてください。

【参考】植毛を扱う病院一覧

まとめ

ここまで自毛植毛について2種類の手術方法を中心にまとめて解説してきましたがいかがでしたでしょうか?

FUT法・FUE法という代表的な植毛方法を紹介しましたが、どちらにもメリットとデメリットがあります。

どちらの植毛方法が自分に合っているのかは自分の髪の状態によって決まるので、「費用の安い方にする」「痛みがない方にする」といった安易な決め方はオススメできません。

FUT法・FUE法の両方に対応したクリニックもありますので、医師としっかりと話したうえで自分に合う植毛方法を選択することが大切です。

先ほども紹介しましたが、当サイトでは、植毛を扱う病院・クリニックを地域別にまとめていますので、そちらも参考にしてみてください。

植毛を扱う病院一覧はこちら