この記事では自毛植毛と人工毛植毛によって植毛された毛髪の寿命について解説しています。
植毛というのは毛髪を頭皮に移植する施術のことを言いますが、この植毛を受けると一生自分の髪として生え続けると思われている方はいないでしょうか?
確かにそのような植毛もありますが、全ての植毛方法においてそうではないのです。
現在一般的に行われている植毛は自毛植毛と人工毛植毛の2種類がありますが、それぞれ移植した毛髪がもつ年数が違います。
自毛植毛の場合
自毛植毛とは?
自毛植毛とは、自分自身の毛髪を使用する植毛方法で、男性型脱毛症であるAGAの要因となっている5aリダクターゼの影響を比較的受けにくい側頭部や後頭部の毛髪を採取して、薄毛の気になっている部分に移植するというものです。
自毛植毛の寿命
最初に結論を申し上げておきますと、自毛植毛に寿命はありません。
自毛植毛によって移植した毛髪は一度頭皮に定着するとそこで半永久的に生え続けるので寿命というものは存在しないのです。
ただ、寿命はありませんが毛周期(ヘアサイクル)という毛髪の生え変わりによる脱毛はあります。
自毛植毛は、移植手術を行った後の数週間の間に数ミリ程度成長しますが、その後手術から1~2ヶ月経ったあたりで移植した毛髪の多くが一度抜け落ちます。
自毛植毛が初めての方は驚かれると思いますが、これは移植した毛髪の毛周期が元々ある毛髪と同じように正常に戻ったという意味で、とてもよい現象なのです。
毛周期とは?
毛周期とは毛髪が成長してから抜け落ちるまでの期間のことを言い、「成長期(4~6年)」「退行期(3週間程度)」「休止期(3~6ヶ月)」という3つの期間に分けられています。
・成長期とは、髪が成長して太くなっていくための期間で、成長期の初期に細胞分裂で髪が作られ、中期で伸び始め、後期で太くなってきます。
・退行期とは、成長期を経て成長し終わった髪の毛根が縮小し始める時期で、この期に入ると髪は成長を完全にストップします。
・休止期とは、毛髪と毛穴をつないでいる毛乳頭という組織が休む時期であり、いつ髪が抜け落ちても不思議ではない期間のことを言います。毛乳頭はこの期間で新しい毛を作る準備をしています。
つまり、移植から1~2ヶ月経ったあたりで髪が抜け始めるのは移植した毛髪が休止期に入ったということであり、毛周期が正常に戻って新しい毛が作られているということになります。
術後のメンテナンス
自毛植毛では5aリダクターゼの影響を受けにくい側頭部や後頭部の毛髪を移植しているので、移植した部分は薄毛になりづらく、しっかりと頭皮に定着するので術後のメンテナンスも一切必要ありません。
人工毛植毛の場合
人工毛植毛とは?
人工毛植毛とは、自分の毛髪を移植する自毛植毛とは違い、ポリエチレン・テレフタレートといった人体に親和性が高いと言われている合成繊維を使用して作られている人工的な毛髪を、薄毛の気になっている頭頂部や生え際といった部分に移植する植毛方法です。
人工毛植毛の寿命
人工毛植毛は人工的に作られた毛髪を移植するので、移植した毛髪が成長することはありません。
また、いくら親和性が高いといっても合成繊維は体にとって異物であることには変わりがないので、異物を排除しようとする体の機能によって抜けやすくなっており、半年~1年で移植した毛髪の半数以上が抜け落ちてしまいます。
これが人工毛植毛の寿命です。
このため、髪の濃さやボリュームを維持し続けるためには年に1~2回の植え直し手術を受けなければならず、ランニングコストがかかります。
まとめ
ここまで自毛植毛と人工毛植毛の寿命について解説してきましたがいかがでしたでしょうか?
紹介してきたように、同じ植毛手術でも自分の毛髪を使うか人工的に作られた毛髪を使うかによって移植した毛髪の寿命が大きく違ってきます。
一回の手術にかかる費用の面からみれば、一度毛髪を採取する必要のある自毛植毛のほうが手間がかかる分費用がかさみますが、人工毛植毛は継続してメンテナンスを行わなければならないので、長いスパンで見ると自毛植毛のほうがメリットが大きいでしょう。
自毛植毛と人工毛植毛の違いを色々な点で比較した記事も公開していますので、そちらも参考にしてみてください。
【参考】自毛植毛と人工毛植毛の違いは?
また、当サイトでは、植毛を扱う病院・クリニックを地域別にまとめていますので、そちらも参考にしてみてください。
【参考】植毛を扱う病院一覧