この記事では自毛植毛と人工毛植毛の違いについて解説しています。

植毛とは薄毛の気になる部分に毛を植え付ける施術のことですが、この植毛には自毛植毛と人工毛植毛の2種類があります。

自毛植毛は自分の毛髪を薄い部分へ移植する方法で、人工毛植毛は人工的に作られた毛髪を薄い部分に移植する方法です。

この記事では自毛植毛と人工毛植毛の違いについて詳しく解説していきますので、興味がある方は是非ご覧ください。

自毛植毛と人工毛植毛の違い

植毛には自毛植毛と人工毛植毛の2種類の方法があります。

ここでは効果やリスクなどをはじめとするそれぞれの違いについて解説していきます。

移植できる本数

自毛植毛の場合

自毛植毛に使用する毛髪は自身の後頭部や側頭部といったAGAの影響を受けにくい部分から採取するので、移植できる本数に限りがあります。

このため、元々髪の量が少ない方や薄毛が全体的に進行している方は自毛植毛を行えない場合もあります。

人工毛植毛の場合

人工毛植毛に使用する毛髪は人工的に作られたものなので、移植できる本数に制限はありません。

このため、自毛植毛とは違って全体的に薄毛が進行している方でも植毛手術を受けることができます。

植毛の効果が体験できるまでの期間

自毛植毛の場合

自毛植毛を行うと手術から数か月の間に植毛した毛髪の多くが一度抜け落ちます。

そこからしっかりと生えそろうまでには半年程度の時間が必要になります。

一度脱毛しても自毛植毛の場合は再度生えてきますので心配はいらないのですが、生えそろうまでの我慢が必要になってきます。

人工毛植毛の場合

人工毛植毛は自分の希望する長さの人工毛を移植することができ、自毛植毛と違って生えそろうまで待つ必要もないので、手術を受けたその日からボリュームアップが可能であり、植毛の効果を即実感することができます。

また、一気にボリュームアップして植毛をしたことがバレるのが嫌だという方は、手術を複数回に分けて徐々にボリュームを上げていくということも可能になっています。

植毛後の髪型変更

自毛植毛の場合

自毛植毛で移植する毛髪は毛根のついている自分の毛髪であり、頭皮に定着した後は周りの毛と同じように伸びていくので、一度生えそろえばどのようなヘアスタイルでも自由自在です。

このため、髪型を変えたりしてオシャレを楽しむことも可能です。

人工毛植毛の場合

人工毛植毛で使用する人工毛は人工的に作られた毛髪であるため移植した後も伸びることはありませんので、短くする方向でしかヘアスタイルを変更することができません。

また、伸びることがないので、元からある髪が伸びることによって髪型に不自然さが生じやすいです。

移植手術による傷や副作用

自毛植毛の場合

自毛植毛の手術ではメスを使用するFUT法という方法があり、この手術法はメスで後頭部の頭皮を縦2cm×横10~20cm程度切り取るので、縫合の傷跡が残ってしまう可能性があります。

ただ、メスを使用しないFUE法という方法もあり、こちらの場合は目立つ傷は残りにくいです。

自毛植毛の場合、移植する毛髪は自分自身のものを使用するので、拒絶反応などの副作用は起こりません。

人工毛植毛の場合

人工毛植毛の手術は頭皮に人工毛を埋め込んでいくだけなので、手術によって傷跡が残るといったことはありません。

ただ、人工的に作られたものを体内に埋め込むので、人によっては移植した部分が腫れたりかぶれたりすることがあり、場合によっては感染症にかかる可能性も出てきます。

また、これらの副作用の危険性から薄毛治療先進国のアメリカでは人工毛植毛の手術が全面的に禁止されています。

日本においても日本皮膚科学会という組織が発表した薄毛治療のガイドライン(AGA診療ガイドライン)では最低評価のDランクをつけられているので、将来的には日本でも禁止されるのではないかという予想もされています。

【参考】AGA診療ガイドラインとは?

メンテナンスの必要性

自毛植毛の場合

自毛植毛では移植した毛髪が頭皮に定着すると、元から生えていた周りの毛と同じように成長して生え変わっていくので、術後のメンテナンスは必要ありません。

人工毛植毛の場合

人工毛植毛に使用されている人工毛は自分の髪ではないので、手術をしてから時間が経つと抜け落ちてしまいます。

このため、髪のボリュームを保ち続けるためには定期的に人工毛の植え直し手術を受け続ける必要があります。

また、伸びることのない人工毛を使用しているために移植した部分に皮脂汚れが溜まりやすくなっており、この汚れを除去するために一か月に一回程度は皮脂汚れを取り除くためのメンテナンスも受けなければなりません。

植毛にかかる費用

自毛植毛の場合

自毛植毛は後頭部や側頭部から毛髪を採取して移植するので、手間がかかるうえに手術には高い技術と様々な医療機器が必要になってきます。

このため、植毛には約100万円程度の費用が掛かってきます。高額ですがメンテナンスの必要がないので、追加での費用はかかりません。

移植する本数を減らせば30万円くらいから手術可能な病院もあるようですが、十分な効果を得るための本数を移植するためには100万円くらいかかる人が多いようです。

人工毛植毛の場合

人工毛植毛はあらかじめ作られている人工毛を埋め込んでいくだけなので、自毛植毛のように手間がかからず植毛自体は30~40万円程度で行うことができます。

ただ、定期的にメンテナンスをする必要があるのでトータルで見ると自毛植毛より割高になってしまいます。

まとめ

ここまで自毛植毛と人工毛植毛の違いについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか?

紹介してきたように2種類の植毛方法には様々な違いがあるので植毛を行う際にどちらを選べばいいのかで悩まれる方もいるかもしれません。

自毛植毛には安全性が高く髪型変更が自由、人工毛植毛には薄毛改善効果を即実感できるなどといったメリットがありますが、それぞれにはデメリットもあることを忘れてはいけません。

植毛方法を決める際には医師としっかり話し合い、自分にとって最適な方法を選択しましょう。

 

なお、当サイトでは、植毛を扱う病院・クリニックを地域別にまとめていますので、そちらも参考にしてみてください。

植毛を扱う病院一覧はこちら