この記事では人工毛植毛のメリットとデメリットについて解説しています。

人工毛植毛とは、人工的に作られた毛髪を薄毛の気になる頭頂部や生え際などに移植することによって薄毛を改善するという植毛方法です。

使用される毛髪は人体に親和性の高い合成繊維で作られていますが、「人工的に作られた」と聞くと悪いイメージを持たれる方もいるかもしれません。

また、現在の植毛では自分の毛髪を使用する自毛植毛が主流になっているということもあり、人工毛植毛について知らないという方もいるかもしれません。

この記事では人工毛植毛のメリットとデメリットについて解説していきますので、興味がある方は是非ご覧ください。

人工毛植毛のメリット

人工毛植毛には以下のようなメリットがあります。

薄毛が全体的に進行していても移植が可能

自分の毛髪を移植する自毛植毛の場合は、自分の側頭部や後頭部から薄毛の気になる部分に毛を移動させる手術を行うので、薄毛がかなり進行しており全体の毛の量が少ないと移植する毛髪が採取できないという可能性があります。

しかし、人工毛植毛の場合は、人工的に作られた毛髪を使用するので、全体的に薄毛が進行していたとしても問題なく手術を受けることができるという利点があります。

自分の理想とするヘアスタイルになれる

人工的に作られた毛髪を使用するので、長さはもちろんですが色も自分の理想に合わせることができます。

また、人工毛植毛は自分の好きな本数を移植することができるので、広い範囲の密度を増やしてボリュームを上げることもできます。

手術直後から薄毛改善効果を実感できる

自毛植毛の場合は、移植した毛がしっかりと生えそろうまでに数か月~半年くらいの時間がかかってしまいます。

しかし、人工毛植毛の場合は自分が望む長さの毛髪を移植することができるので生えそろうまで待つ必要がなく、手術後すぐにボリュームアップを実感できます。

一回の手術にかかる費用は自毛植毛より少ない

自毛植毛の場合は、移植する毛髪を頭皮から採取する必要があるため手間がかかり、その分費用がかさんでしまいます。

しかし、人工毛植毛の場合は、人工毛を埋め込んでいくだけなので手間がかからず費用は自毛植毛より割安になっています。

人工毛植毛のデメリット

人工毛植毛には様々なメリットがありましたが、同じようにデメリットも持ち合わせています。

頭皮が拒絶反応を起こすことがある

いくら人体への親和性が高い合成繊維を使用しているといっても人工毛は体にとっては異物であることには変わりがないので、人によっては頭皮が拒絶反応を起こすことがあります。

そうなると、移植した部分が炎症を起こしたり、かぶれたりすることがあり、人によっては炎症を起こした部分から感染症にかかる場合もあります。

これらの症状は薬によっておさまる場合もありますが、それでも改善が見込まれない場合には移植した人工毛を抜かなければならなくなることもあります。

年に数回のメンテナンスが必要

自毛植毛の場合は、一度移植手術を行うと移植した毛髪が周りの髪と同じように成長していくので、手術後にメンテナンスを行う必要はありません。

しかし、人工毛植毛の場合は、自分の髪ではないので時間の経過とともに移植した毛髪が抜け落ちてしまいます。

このため、髪のボリュームを維持するためには年に1~2回の植え直し手術が必要になってきます。

自毛植毛に比べて手術に手間がかからないので一回の手術費用は割安になっていますが、このメンテナンス費用を含めると自毛植毛よりかなり割高になってしまいます。

学会が薄毛治療として勧められないと発表している

日本皮膚科学会という組織が発表した薄毛治療に関するガイドラインにおいて、自毛植毛が「勧められる」という意味のBランクの評価をされているのに対して、人工毛植毛は「行わないように勧められる」という意味のDランクの評価をされています。

このガイドライン(AGA診療ガイドライン)では薄毛治療に適しているかどうかで「A・B・C1・C2・D」というランク分けがされているのですが、人工毛植毛はその中で最低ランクということになります。

【参考】AGA診療ガイドラインとは?

また、日本では行わないように勧められるといわれているだけですが、薄毛治療先進国のアメリカでは法律で行うことが禁止されています。

このため日本でも今後アメリカと同じように禁止されるのではないかという見方も広がっています。

まとめ

ここまで人工毛植毛のメリットとデメリットについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか?

人工毛植毛は、ポリエチレン・テレフタレートなどの素材を使用した人工毛を移植するという植毛方法です。

自分の理想とするヘアスタイルになれたり効果をすぐに実感できるというメリットがある一方で、拒絶反応が出る可能性があったり、メンテナンスが必要であったり、というデメリットも併せ持っています。

ですので、人工毛植毛を行う場合には、メリットとデメリットの両方をよく理解し、医師の指示にしっかりと従う必要があります。

なお、当サイトでは、植毛を扱う病院・クリニックを地域別にまとめていますので、そちらも参考にしてみてください。

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